2016年08月18日
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理科大の学長ってどんなひと??

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理科大

Unitusには一部化学科と二部化学科、そして応用化学科に所属している学生がそれぞれ1人ずつ、合計3人います。(2016年8月18日現在)

工業化学科(来年から先端化学科に名称変更)がいれば化学系はコンプリートでしたね。残念。

ところで、みなさんは東京理科大学の学長である藤島昭先生は化学者であることを知っていますか?入学式でお話しされたあの学長です。

え、知らない?

それじゃあ学長が光触媒の分野で偉大な功績を残してきたことも知らない…?

そんなのもったいない!せっかく理科大に通っているなら知っておきましょう。理科大に通っていない人も、とっても面白い研究をされてきた方なので知っておくと得!

藤嶋昭学長

1942年3月10日生まれ

東京大学大学院工学系研究科博士課程修了

2010年より東京理科大学学長

初代東京大学特別栄誉教授

光触媒って?

藤島学長はずばり、「光触媒反応を初めて発見した方」です。

光触媒反応とはなんなのかを水の分解の例を用いて紹介します。

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by Pixabay

水の分解、つまり、水から酸素と水素が発生する反応は私たちが普通に生活している状況下ではなかなか起きにくいものです。

私たちがいつも飲んでいる水がどんどん水素と酸素になってしまったら大変ですよね。

この反応でみなさんが聞いたことのあるものがあるとしたら「水の電気分解」でしょう。水に電圧をかけると酸素と水素が発生します。これは1800年に発見されています。

また、これとは別に、酸化チタンを水に入れて光を照射すると、水から水素と酸素が発生することが1967年に発見されています。

これが世界で初めて藤島学長が発見した光触媒反応です。

どこが光触媒反応なのでしょうか。

ここで光触媒の役割を果たしているものは「酸化チタン」です。酸化チタンは光を当てることで水を分解する反応を促進させますが、反応の前後でそれ自体は変わりません。

このように「光を当てることによって反応を促進させるが、反応の前後でそれ自体は変わらない」ような物質のことを光触媒といいます。

この発見は、発見者の名前にちなんで「ホンダ・フジシマ効果」と呼ばれています。

すごいですね!

これはエネルギー問題解決につながる発見として注目を浴びました。いまでも様々な研究者が実用化にむけて研究をしています。

汚れを分解しよう

藤島学長はしばらくの間太陽光を用いて水素をたくさん発生させることを目指して研究を続けました。

その後、酸化チタンをつかって悪臭物質や汚れを分解するための研究をするようになりました。

詳細な説明は省きますが、酸化チタンが水を分解できたのはそれがもつ強い酸化力によります。その酸化力を使えば悪臭物質や汚れを分解できるだろうという考え方です。

汚れを分解するために酸化チタン光触媒が用いられた製品は身の回りにたくさんあります。

たとえば、高速道路のトンネル内の照明器具。

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by Pixabay

高速道路の照明は排気ガスのせいで汚れがつきやすく、頻繁に清掃作業をする必要がありました。

そこで、照明のカバーガラスに酸化チタン光触媒を透明にコーティングすることで排気ガスによる汚れが分解され、付着しにくくなります。その結果、清掃作業を減らすことができました。

この新しい照明は長野での冬季オリンピックのためにつくられた高速道路で初めて取り入れられました。その後つくられた高速道路にはこの照明が用いられているので、高速道路のトンネルに入った時はぜひ光触媒に想いを馳せてみてください!

この他にも、空気清浄機、エアコン、掃除機のフィルターやたばこの匂いが取れる障子など、様々な製品に酸化チタン光触媒が用いられています。

汚れを分解するだけじゃない!

酸化チタンの働きはこれだけではありませんでした。

藤島学長らは鏡の表面に酸化チタンをコーティングして光をあてると、水滴が丸くならずに一面にぬれ広がってしまうことで鏡が曇らなくなるという現象を発見しました。

このように水が濡れ広がる現象を「超親水性」と名付けて1997年に世界で特に権威のある学術雑誌のひとつである「Nature」にて論文を発表しています。

この超親水性により、酸化チタンの酸化力で分解しきれなかった汚れも、水をかけることで洗い流すことができることがわかりました。

酸化チタンがもつ酸化力と超親水性、両方の力のおかげでわたしたちの身の回りのものをキレイに保つことができます。

自分できれいになってくれる「セルフクリーニング効果」は建築用の材料や高層ビルの窓ガラス、テント剤、道路の標識などさまざまな屋外の建物に応用されています。

例えば、藤島学長の自宅には光触媒ペンキが塗られています。酸化チタンのセルフクリーニング効果のおかげで壁が綺麗に保たれているそうです。

ちなみに藤島学長の家のペンキはUnitusの代表のおじいちゃんが塗ったそうです。びっくり!

さいごに

かなりざっくり藤島学長が発見したことやそれにまつわるお話をしました。

まだまだ説明しきれていないことはたくさんあります。

なんだかものたりない!もっと知りたい!面白そう!と思った人は本を読んだりネットで検索してみたりしてください。

理科大の神楽坂キャンパスの図書館には学長特設コーナーがあって、学長おすすめの本や学長が執筆した本がまとめておいてあるので是非立ち寄ってみてはいかがでしょう?

参考文献に載せた本はそのコーナーに置いてあった本ですが、とても読みやすくて面白いのでおすすめです!!

また、2016年10月9・10日に理科大で開催されるMOLECULAR FRONTIERS SYMPOSIUMでは藤島学長が光触媒についてお話しされます。藤島学長だけでなくノーベル賞受賞者など、著名な科学者がお話しされるビッグイベントです。

理科大生なら別室聴講が出来るそうなので興味のある人はCLASSから申し込んでみてはどうでしょうか?

まだ定員に達してなければ藤島学長やノーベル賞受賞者のお話が聞けるチャンスです!!

参考文献

「光触媒が未来をつくる 環境・エネルギーをクリーンに」藤島昭著 2012年 岩波書店

光触媒の新世界 _ UTokyo Research(閲覧日8月11日)

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